ガラスの筒:エレキテルの作り方を書いた文献(野礼機的爾(エレキテル)全書)には
「火打ち石を製したもの」とあります.そこで,石英ガラスのパイプを用意します.
普通のガラスの筒(酒瓶のようなもの)では電気はほとんど起きません.






肉厚2.5mm,内径75mm,長さ140mmの石英管を購入しました
(業者に頼んで切ってもらいます).素手でさわっても危なくないように
端面を滑らかにしてあります.これ1本で2万円
石英ガラスは高いんです(;´Д`)


石英ガラスを布なのでまさつすると帯電して紙切れ等を引き寄せます.
普通のガラス(ソーダガラス)ではこの現象は起きません.
石英ガラスの表面電気抵抗が非常に高いため,摩擦によって発生した電荷は
ガラス表面にとどまります.
普通のガラスでは表面抵抗がそれほど高くないため,
摩擦する→電荷が発生する→電荷はガラス表面と人間の手を伝って逃げる →ガラス表面に電荷は残らない→紙切れなどはくっつかない
のです.

で,この筒を回すために「キャップ」とプーリー(小)をつけます.

★キャップ









桂の円柱(直径80mm,高さ50mm,東急ハンズで1個400円)を「耳」を残して旋盤で「のりしろ」を削ります.ガラス筒の内径が75mmなので,数字の上では円柱の外側を2.5mm削ることになりますが,少し遊びを持たせて3mmくらい削ります.遊びを持たせないと,ガラス筒と接着する(後述)時に苦労します.中央に角棒を通す角穴をあけます.



★プーリー(小)












ブナの円柱(直径60mm,高さ60mm,東急ハンズで1個280円)を旋盤で削ります.これも,角穴を中央にあけます.


★キャップとガラス筒の接着
木のキャップとガラスを接着しますが,エポキシなどの接着剤は用いません.
かわりに「漆」を使います.用意するものは
◎手順
  1. キャップの全面に漆をよく擦り込み,木目をつぶします(目止め).(角穴の中は不要)
    これをやらないと,ガラスと接着するときにキャップ(木)が膨張し,
    ガラスが割れるかもしれません!(1回割った(;´Д`))
    漆を吸った木は少し膨張するので,木を削ってキャップをつくるとき「遊び」を
    持たせないと,キャップがはまらなくなります.

  2. 漆を擦り込んだキャップを充分に乾かします.
    漆を乾かすには湿度が必要です.梅雨時なら1日で乾きます.
    濡れタオルを入れた段ボール箱に入れておくといいでしょう.

  3. ご飯つぶをこねて糊をつくります.ご飯つぶが見えなくなるくらいこねます.

  4. この糊に漆を少しずつ混ぜます.少し混ぜる→こねる を繰り返します.
    加える漆の量は,ご飯つぶの量と同じくらいです.

  5. キャップの「のりしろ」に4.を塗ります.
    角棒を角穴に入れます.↓
    このままの状態で漆を乾かします.

  6. プーリー(小)と回転軸をつけます.↓



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